เข้าสู่ระบบ浜辺の地面にマーマン村長が浮かび上がる。
さらさらとした砂の地面。トウマが歩く度に足が砂に若干埋まる。すぐそばには青い海が広がっており、波が寄せては返していた。波音が響いている。太陽がじりじりと照りつけており、カラッとした暑さを感じた。トウマの額から汗が垂れてあごをつたう。
マーマン村長、ギースが槍を構えて叫んだ。
「お前たち。よくも、わしらの友ラズリーフを狩りしてくれたな! 許さんぞ!」
ドンと音がした。
――クエスト、マーマン村長、ギースの撃破
:出た! アストラブール浜辺のマーマン村長。
:落雷のスタン攻撃に気をつけて!
:トウマ君、頑張って!
ニキが嬉々としてキャノンの砲口をギースへと向ける。
「よっしゃあ! ボスを狩るぜー」
ニキが引き金を連続で引く。轟音が鳴った。砲口から弾丸が射出されてギースに命中する。ニキの攻撃力は高い。ギースのHPはごりごりと削れた。
ラズリーフの群れは恐怖したよう
――最高級、蘇生クエスト、たった一人でウミを倒す ジャンクアイランド。 その島の、木々が開けた地面の上だった。 辺りを包んでいた濃い霧は消えている。木の葉の隙間からは太陽の光が差し込んでいた。風に揺られて葉っぱが音を立てている。遠くには山が見えた。山? いや違う。武器や服、乗り物や使い魔たちの死骸が山となっているのだった。腕や足のちぎれた姿がなんとも痛々しい。その下の地面にはポーションの空き瓶が転がっていた。 少し離れたところには白い着ぐるみ姿のウミがいて、左手を腰に当てている。右手の剣で地面を突いていた。挑戦者を待っているようだ。 トウマたちは顔を向け合って話し合った。「みんな、俺が行く」とトウマ。「あたしが行くわ」とベルフラウ。「僕がやる!」とアイギス。 三人が立候補していた。 トウマは小刻みに首を振って、懇願するように声を絞り出した。「ベルフラウ、アイ、ここは俺にやらせて欲しい」「ダーリン、大丈夫なの? ウミちゃん、強いわよ?」 ベルフラウが心配そうな目つきでつぶやいた。 アイギスがぶんぶんと首を振った。「僕がやる!」 その瞳には、絶対に自分が救い出すのだという決意が宿っている。 トウマはアイギスにゆっくりと歩み寄り、その肩に両手を置いた。「アイ、頼む。俺にやらせてくれ」「ダメ!」「アイ。俺にウミを、迎えに行かせて欲しい」「ダメ!」「……頼む」 トウマの顔に苦渋がにじむ。 晴恋が助け船を出した。「アイ。だんちょはウミちゃんの主人だから、ここは任せよう?」「でも、負けたらどうするの!?」 アイギスの耳が怒ったようにピンと立っていた。 トウマはその場に両足をつく。頭を下げた。「頼む……アイ。必ずウミを連れ帰ってくる」「&helli
ジャンクアイランドに船が着岸する。 島には、ガラクタが山のように積み上げられている。ボロボロになった武器や服、手や足のちぎれた使い魔や乗り物、戦車やロボットまであった。まるでゴミの山である。このゲームではロボットを仲間にできるのだろうか? そんな疑問がトウマの脳裏には浮かんだ。 小さな島だった。島は濃い霧に包まれている。空中を飛んでいた配信用ドローンが透明になって消えた。どうやらここは配信不可エリアのようだ。 着岸すると、操舵士のおやじさんが錨を海に降ろした。 みんなで輪になって、それぞれに適したバフ料理を食べていた。島に行けば戦闘が多いのかもしれない。準備は入念にするべきだった。 魚介ラーメンをすすりつつ、トウマが口を開く。「みんな、ここからは用心してかかってくれ」「本当にウミちゃんがいるのかしら?」 ベルフラウが疑問そうに言って、カレーライスのカツをむしゃむしゃとかじった。 アイギスの鼻がひくひくと動く。「いる! かすかだけど、ウミちゃんの匂いがする」「アイ、分かるの?」 晴恋が聞いた。 アイギスがこくりと頷く。 トウマがみんなに視線を配る。「みんな、何としてでもウミを見つけるぞ」「当たり前!」 アイギスが興奮したように鼻息を荒くしていた。 食事を終える。 船にはタラップがあった。それをつたって地面へと降りる。トウマとベルフラウを先頭に島の内部を進んだ。だけど霧が濃い。モヤモヤとしており、3m先が見えなかった。何が起こっても良いように、みんなが武器を手に持っていた。 ドンと音がした。 ――蘇生クエスト、ウミの6つのクイズに全て正解する 頭上の表示を見て、トウマが顔を険しくする。「何だ?」「クイズに答えるって?」 ベルフラウが首をかしげている。 その時だ。 前方に光の柱が立った。光の柱の中から、小悪魔のような角と翼を生や
船が大きく縦に揺れた。 晴れ空が途端にどんよりと曇る。雨が降ってきていた。波は荒れ狂い、海の色が黒ずんでいく。落雷が発生して空がゴロゴロと鳴っている。嵐となった。「クラーケンが出たぞー!」 操舵室の扉を開けて、NPCの操舵士のおやじさんが叫んでいた。 トウマたちが前甲板へと駆けつける。船の舳先には巨大な青黒いイカのようなモンスターが乗り上げていた。不気味な瞳でこちらを睨みつける。船を転覆させようとしていた。 ドンと音がした。 ――クエスト、クラーケンの撃破:初めて見るタイプのボスだな。:中ボスだからそんなに強くないはず。:誰か! 釣りシステムの入手方法を知っている人はいませんか!? トウマは腕を組み、いたって焦らずに吐息した。(……ふむ) 馬車の旅では途中、敵が出てくる。船旅も同じようだった。 全員がパーティをすでに組んでいる。 ベルフラウが左手のひらを掲げて唱えた。「メイクアップ」 ステータス画面からみんなが武器を取り出している。 ニキが叫んだ。「みんな、連携を取って戦うさ!」「連携?」 ベルフラウが振り向いて唇をすぼめる。 その時、クラーケンが大きな足を上から下へと振り下ろした。身体が赤いオーラを帯びている。足が叩きつけられると同時に、大きな雷が海に落ちる。辺りが稲光に包まれた。 轟音。 光がやむと、グラスオース号の前甲板には12体のゾンビが出現している。ゾンビは船乗りのような白い服装をしており、マリンキャップをかぶっていた。だけどその服はボロボロだった。ここら一帯で死んだ船乗りたちをクラーケンが蘇らせたようだ。 ニキが声をかけた。「トウマさん、連携の指示を頼むさ」「……いきなりだな」 連携など練っていない。だけど良い提案だと思った。五人と一頭でがむしゃらに敵へ突
現実の昼食を終えてゲームに戻って来ていた。 今、トウマ、ベルフラウ、ニキは釣りをしていた。 晴恋とアイギスは釣りシステムを開放させていないため、見ているだけである。もちろんキャルル丸もだ。 木製の後甲板。船のエンジンがゴゴゴという音を響かせている。波しぶきの音も大きく、ざぶんざぶんと鳴っていた。トウマたちの上空にはカモメが集まってきており、釣れた魚を狙っている。鳴き声がこだましている。カモメが寄ってくるごとにアイギスが槍で追い払ってくれていた。 高級釣り竿を両手に持ちながら、トウマは粋な表情を浮かべる。(大漁だ!) 魚は次々にヒットしていた。アジ、シロギス、メバル、タチウオ、様々な魚を釣り上げる。五分に一匹は釣れていた。木製の床には釣れた魚が並べられており、幽霊猫のトビウオがむしゃむしゃと食べていた。 隣にいるニキが羨ましそうにこちらを見る。「トウマさん、その高級釣り竿を、ちょっと貸してくれさ」 ニキの釣り竿は初心者の釣り竿である。木の棒に糸と針がついただけの粗末な作りだった。獲物がかかる確率は低い。 トウマは微笑を浮かべつつ首を振った。「ダメだ! 今、良いところなんだ!」「ちょっとだけだって。俺っちも、もっと釣りたいよ」「もっと釣りたければ、高級釣り竿を釣るべきだな」「なんだよぉ。ケチだなー」「いま良いところなんだ! 魚がびゅんびゅんだ!」 ふとトウマの釣り竿の先がキュッとしなる。また獲物がかかったようだ。「これはデカいぞ!」 トウマがリールを巻く。糸の先のルアーについていたものは真鯛だった。:真鯛来た!:ピチピチだな。:トウマさん、調子良いですね。 トウマはるんるんとした気分で、リールを巻いて魚を引き上げる。ルアーから真鯛をはずして両手に持った。でかい! 50cmはありそうだ。「よっしゃあ!」 思わず声を上げてしまった。 トビウオが物欲しそうにこちらを見る。
グラスオース号が出航する。 アストラブール町で購入したばかりの船だった。 波しぶきを立てて、大海原へと船が進んでいた。魔導具のエンジンがゴゴゴと低い音を立てている。太陽の光に照らされて海面がキラキラと光っていた。カモメたちがクエーと鳴いている。まるでこれからの旅を祝福してくれているかのようだ。潮の香りがやけに濃かった。そして風が強い。 操舵士であるNPCのおやじさんが船の舵を切ってくれている。ジャンクアイランドへの航海マップは渡してあった。 そしてこれは余談だが、王都のある大陸へ行く際の航海マップは、おやじさんがすでに所持しているらしい。 船の名前にはギルドの名前がそのまま付けられていた。先ほどみんなで決めたことである。:行けー、グラスオース号w:目指すはジャンクアイランドですね。:ウミちゃぁぁん、いま行くから待っていてね。 船の前甲板の欄干に背中を預けてトウマは座っていた。その手にはアビリティの書がある。電子思念体を倒した時に入手したものだった。隣にはベルフラウがいる。 二人の服装は結婚式の正装から元に戻っていた。 今、トウマがアビリティを習得しようとしている。「なあ、ベルフラウ。本当に無料で、俺がこれを使ってもいいのか?」「いいのよ。だって、電子思念体を倒したのはトウマだし。あたしは指輪をもらっているから。それに、あたしはアビリティをもう覚えているし」「そうか。じゃあ、使うぞ?」「どうぞ?」「ありがとう」 トウマはステータス画面を見て、キーワードをつぶやく。「アビリティ解放」 金色のカバーの分厚い本が白い光を帯びて消える。アビリティを習得した。ステータス画面で能力をチェックする。 アビリティ、スイッチヒットポイント……HPが50%以下になると次の被弾時に相手のHPと自分のHPが入れ替わる。 アビリティ必殺技、フィールドクラック……ヴァルを消費してフィールドにご都合主義を
「ああ、知っている」 電子思念体が抑揚のない声で告げた。無機質な電子音である。 どこまでも白い空間だった。天井や壁はない。硬い床の感触だけがあった。後ろには白い扉がある。そして目の前には赤い球体、電子思念体が浮かんでいた。 トウマが急いた声で尋ねる。「ウミを生き返す方法を知っているのか?」「知りたいか?」「教えてくれ!」「このゲームの情報はヴァルだ。トウマよ、私にいくら払える?」「……何?」 トウマの眉が困ったように八の字になる。(またヴァルか!) クソゲーである。 ベルフラウが不安そうな顔を向けた。「ユウマ、どうするの?」 トウマは静かにあごを引く。「1000万ヴァルだ」「ちょっと、ユウマ! そんなにいいの?」「かまわん。ウミを生き返す方法が分かるのなら、安いもんだ」 ベルフラウは黙り込み、渋い表情で赤い球体を睨みつけた。 赤い球体が試すように聞く。「トウマよ、1000万ヴァルを払うのだな?」「ああ」「したたかな男だな。その金は、いま私を倒して入手した金だろう」「……足りないか?」「いや、いいだろう。では1000万ヴァルをもらっておく」 瞬間、トウマのステータス画面が自動で表示された。アイテム欄から1000万ヴァルが差し引かれる。トウマは腹が痛くなり、苦渋の表情を浮かべた。下唇がひきつる。 だけど、(ウミの存在は、金には変えられん)「おい、教えてくれ」「ではこれをやろう。お前たち、ジャンクアイランドへ行け」 赤い球体の手前の床が光った。一枚の羊皮紙が生まれる。 トウマは歩み寄り、その羊皮紙を拾った。「これは?」「ジャンクアイランドへの航海マップだ」「航海マ
村の広場。 トウマたちは木製のベンチに並んで腰掛けていた。 ゲーム内は昼間であり太陽が出ている。近くにある桜の木が花々を満開に咲き誇らせていた。そよ風が吹いて、花びらがチラチラと地面を舞う。木枝が揺れる音がした。 大きめの梅おにぎりを、ウミが両手で持ってむしゃむしゃと食べている。モフモフと尻尾を振っており、ご機嫌のようだ。満面の笑みを浮かべている。 「美味しいですぅ、美味しいですぅ」「そりゃあ良かった」「ご主人様、ありがとうございます」「味わって食えよ」 梅おにぎり、200ヴァル。 道具屋で買ってきたものだった。手痛い出費である。 トウマは広場の光景を眺めた。中心には噴
ゴーレムを倒し終えると、ノーファンの村へと二人は転移した。 辺りには木造りの民家が立ち並んでいる。遠くを見ると森や山があった。地面は土。その道路で、トウマとウミは隣り合って佇んでいた。 「普通の村だな」「そのようですね」「とりあえず、狩り場に行くついでに、村を見て回ってみるか」「はぁい!」 二人で並んで歩き出す。 すぐに他プレイヤーの姿があった。 横切っていく通行人。その顔色は明らかに沈んでいた。他にも座り込んでいる女性がいた。壁にもたれかかっている男。空を見上げている魔法使いふう。誰もが死んだ魚のような目をしている。 異変に気づいたウミが声をひそめてつぶやく。不安に揺れ
ロッジのような一室。木造りの天井と丸太で出来た壁。そこのベッドにユウマは腰掛けていた。 ここがゲームの中らしい。 顔の前にはステータス画面のような半透明の青いボードが浮かんでいる。 システム音声が響いた。 「プレイヤー様。VALORIUMオンラインの世界へようこそ!」 「あ、はい」 「まず、プレイヤー名を決めてください」 「トウマで頼む」 彼の本名は冬野悠馬である。 「トウマ、その名前は使用できます」 「良かった」 「次にゲーム内職業を選んでください」 画面には様々な種類のジョブが並んだ。 そして右上には特別コード入力の文字。そこをタップして、暗記し
ログネストの玄関は広い空間になっている。背の高い天井。タイル敷きの綺麗な床。 しかし、空気は息苦しいほど重かった。 今も、通路からドリンクを汲みに来た利用客がある。ちらりと振り返ると、寝ていないような疲れた顔をしていた。 ふと隣には男性店員に連れられた太り気味の客がやってきた。太り気味の客は男性店員に頭を下げて大声を出す。 「待ってください! あと五時間、五時間プレイできれば、ヴァルを払えそうなんです!」「お客様、すでに退室の時間でございます」 (……ヴァル?) 背中に鳥肌が立つのを感じながらユウマはカウンターに向き直る。 茶色い受付台を挟んで、ユウマの前には女性店員が立って